古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介『広益秘事大全』第2回目
古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介、
『広益秘事大全(こうえきひじだいぜん)』(嘉永4年:1851年)
第2弾です。
今回は、第2章「即効妙薬類」。
この章は、江戸時代の人々のさまざまな病気やケガへの対処法が
たくさん掲載されています。
その中で、出産や月経などの、女性ならではのお悩みに関するものが
筆頭に多数集められており、その重要度が一目瞭然です。
婦人科系の代表例としては
「逆子で産まれそうなときのおまじない」「懐妊したかを確認する方法」
「お乳が足りないときの対処法」「月経を延ばす方法」「つわりの軽減の方法」
などがあります。
また、一般的な病気やケガの治し方には
「痔の薬」「のどに食べ物がつまったときの対処法」「虫歯を治す方法」
「鼻血を止める方法」「骨折したときの対処法」「やけどの薬」
ほかに、現代では必要のなくなった、江戸時代ならではのもの
「いろいろな毒にあたったときの薬」「牛や馬に噛まれたときの薬」
「ネズミにかまれたときの薬」「落馬したときの心得」「脚気の薬」
面白いものでは
「ワキガの薬」「白髪を黒くする方法」「毛生え薬」
「ニキビを治す方法」「サメ肌を治す方法」
なんていうのもあったりします。
昔は簡単に医者にかかれませんでしたから、
自分でなんとかするという意識が強かったのですね。
ですから、民間療法もたくさんの種類があるのです。
また、この章の大きな特徴として、生薬が多く登場するという点があります。
身体を治すのが目的ですから、薬には漢方の生薬が多数使われており、
第1章に比べるとそれらの登場が多くなっています。
現代では生薬なんて身近に存在しませんので、
イメージしにくいのが少し大変かもしれませんが、
読み進めていく分には初心者の方でも大丈夫。
むしろ漢方の知識が得られて、新たな世界が広がるでしょう。
この第2章もたっぷり6か月分あります。
こちらの内容にご興味がありましたら、
ここから始めることもできます。
江戸時代の人々が、どんな病気に悩んでいたのか、
どうやって治療していたのか、じっくり覗いてみましょう!