古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介『広益秘事大全』第1回目
今回から、古文書講座「初級コース」で使用予定の古文書をご紹介していこうと思います。
まずはじめは、すべての古文書の中で最大のおススメ、
『広益秘事大全(こうえきひじだいぜん)』。(嘉永4年:1851年)
これを5回に分けて、その特徴をお伝えしていきます。
5回に分ける理由なのですが、章が5つに分けられており、
第1章「奇功妙術類」
第2章「即効妙薬類」
第3章「経験灸治類」
第4章「草木種植類」
第5章「畜蔵菜果類」
となっているためです。
全5冊合わせると相当な分量ですから、
初級コースでこれらすべてを読破することは無理なので、
お好きな章だけを選択してもよいですし、
順に進めていって、初級コースを終了したのち、
上級コースにお進みいただいてから継続して完読することも可能です。
では、今回は、第1章「奇功妙術類」。
この章は、江戸時代の庶民の生活の中で行われていた、
さまざまな知恵や工夫をたくさん網羅したものになっています。
すべての章の中でもイチオシがこちらです。
現在のわたしたちの生活様式とはまるで違いますから、
そっくりそのまま今に活かせるものばかりではありませんが、
「包丁の生臭さを取る方法」「口がニンニク臭くならない方法」
「何日寝なくても気力がなくならない方法」「船に酔わない方法」
など、即戦力のあるものもたくさん含まれています。
それ以外には
「道に迷ったときに方角を知る方法」「井戸を掘るとき水のある土地を知る方法」
「おはぐろを速攻落とす方法」「果実をたくさん実らせる方法」
「暑いときに煮物を貯える方法」「死んだ金魚を生き返らせる方法」
など、この第1章だけで初級コース6か月費やせるほどのネタの多さ!
多くて大変じゃないの?無理無理!と思うかもしれませんが、
頻出される字はだいたい決まっていますし、
くずし字がきれいで簡単なので、
十分初心者でも読みこなせる古文書になっています。
なによりマンツーマンですから、
受講者様のペースに合わせて読み進めていけます。
ぜひ、楽しみながら学んでいきましょう。