古文書講座「中級コース」の古文書『瓜生氏日本国尽3東山道編』ご紹介
今回は「中級コース」のテキスト、
『瓜生氏日本国尽』から、東山道編をご紹介します。
全8巻中の3巻目に当たります。
東山道というのは、近江から陸奥にかけての13国を指し、
近江・美濃・飛騨・信濃・上野・下野・磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥・羽前・羽後。
下の地図がその分布図です。
中山道(京都三条大橋~江戸日本橋)と
奥州街道(江戸日本橋もしくは江戸城大手門~白河、さらに北海道まで延長された)
を足したものが、東山道におおむね合致するといった感じでしょうか。
文中では「龍の背中」と称されている通り、
飛騨山脈・奥羽山脈を取り囲む、日本の背骨にあたる山脈地帯です。
気候が非常に厳しい地域ですから、
「寒気」「雪」という言葉が見られますが、
それ以上に「温泉」という文言が一番多い印象です。
また、厳しい自然の中から産まれる
木材加工品や漆・蝋燭などの特産品も数多く、
特に陸中(岩手)が馬産地という驚きの記述もあったりして、
改めて日本の名産物を記した古文書を手に入れたいと強く思ったほど、
なかなか魅力的な名産物がたくさん並んでいます。
現在の観光名所がそのまま書かれているわけではありませんが、
日本らしい風景が最も強く感じられる巻でしょう。
全24回分と少し長めですが、
難解な字や言葉はほぼありません。