古文書講座「中級コース」の古文書『幼童訓』ご紹介

古文書講座「中級コース」の古文書『幼童訓』ご紹介

今回は「中級コース」のテキスト、
『幼童訓』をご紹介します。

往来物というのは寺子屋で学ぶ子ども向けの教科書なのですが、
この本は「こんなふうに育てなさい、
さもなければこんな悪い子に育ちますよ」といったような、
むしろ子を持つ親御さんに向けての教訓のように語られています。

子どもに向けたものが親の子育て論となると
なんだか複雑な感じですよね。
それだけ早く子どもを自立させたいという、
社会の風潮だったのかもしれません。

古文書解読にありがちなのは、
どうしても文字の判別に集中するため、
文章の意味がまるで頭に入ってこないということ。

ですからこの古文書も、
最初は良い子の様子が書かれていたのに
後半はどんどん悪い方向へ育ってしまい、
ついにはワルガキからチンピラになってしまうのですが、
一体なにがきっかけでそうなってしまったんだろうと
もう一度読み直してみると、
親の育て方に原因があったのです。

そうした現代にも通じる子育て論ですので、
お子さんのいらっしゃる方は共感できる題材でしょう。

文字は個性的でありながら筆の運びが明確な細字で、
省略がとても少ない行書体のため、
文字の崩し方がよくわかる
書道のお手本のような古文書です。
全10回分になります。

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