古文書講座「中級コース」の古文書『瓜生氏日本国尽1五畿内編』ご紹介
今回は「中級コース」のテキスト、
『瓜生氏日本国尽』から五畿内編をご紹介します。
この古文書は全8巻からなる大作で、
日本全土をすべて紹介する内容の往来物です。
第1巻の五畿内編では、本編の前に総論があり、
そこでまずは世界がどのようなものなのか、
また、その世界における日本の位置づけはどうなっているのか、
それらについての理解を深めてから
日本国内のさまざまな地域へと目を向けるようになっています。
そして、五畿内というのは当然近畿のことですが、
発行された明治5年当時の五畿とは、
このようになっていましたので、
「山城・大和・河内・和泉・摂津」
の5つの国を指していることになります。
これらの各々の立地・地形・広さから、
その土地ならではの情報、
さらに人の気質や人口、気候、名産物が書かれています。
書物としての文字は筆の運びがはっきりわかる続け字のため
一見して読みにくい印象を与えますが、
目立って難解なところもないので、
地理に興味のある方、とりわけ関西在住の方には、
地元周辺の昔の様子を深く知っていただく面白さを
存分に味わえる古文書です。
全9回分になります。