古文書講座「中級コース」の古文書『国史往来』ご紹介

古文書講座「中級コース」の古文書『国史往来』ご紹介

今回は「中級コース」のテキスト、
『国史往来』をご紹介します。

古事記に触れたことのある方はそう多くはないと思いますが、
天皇の祖先は神様で、その神様が日本を造ったという話は
聞いたことがあるのではないでしょうか。

その古事記を要約したものが、この『国史往来』だと
思っていただけたら良いかと思います。

神様がこの世に登場してから、やがて初代神武天皇が誕生し、
平安遷都を行った桓武天皇までのおおまかな流れが
リズムよく書かれています。

固有名詞が多いのが往来物の特徴のひとつでもあり、
その最も一般的なのは地名なのですが、
この『国史往来』の固有名詞は神様と天皇の名前なので、
特に神様の名前を読むのは難解です。
(現代語でも難しいですね・・・)

そしてもうひとつ、枕詞が多いというのも
ほかではあまり見られないものです。

こうした個性際立つこの古文書、
往来物の中ではダントツ一番の高難易度で、
本来なら中級コースのレベルではないため、
このコースの中に含めるのもかなり悩むほどでした。

ですから、もし履修される方は
中級の後半か上級に進んでから取り組まれるとよいかと思います。

しかしそうはいっても、日本人なら必ず知っておきたい
大変大事な基礎知識だと個人的には思っていますので、
ぜひどこかのタイミングで多くの方に
トライしていただきたいと強く願っています。

古事記にまったく接したことがなく、
けれども神様や天皇の起源について関心のある方にも理解が深まるように、
こちらのコースは古文書の解読だけではなく
その背景についてもご説明していきますので、
1回あたりの進み具合はゆるやかです。

全17回と長期戦になりますが、
その分、有益な知識を得た満足感・達成感は
ほかのもの以上になることは間違いありません。

ちなみに私は奈良時代の天皇に関することを
研究したいと思っていた時期があり、
また、日本神話をじっくり学ぶ機会もありましたので、
教えられるの?と不安に思わなくて大丈夫です(笑)。
かなり自信がありますのでご安心ください。

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