古文書講座「中級コース」の古文書『世界風俗往来』ご紹介

古文書講座「中級コース」の古文書『世界風俗往来』ご紹介

今回は「中級コース」のテキスト、
『世界風俗往来』をご紹介します。

風俗という言葉は、今ではいかがわしいものを想像してしまいますが、
この古文書が発行された明治5年当時では「文化」を意味しています。
ですから、正確には『世界文化往来』と言った方が正確かもしれません。

開国したばかりの日本にとって、明治初期というのは
世界のさまざまな情報が入ってきたので、
それはそれは大パニックな世の中だったのではないでしょうか。

ですからこの古文書も、
まずは外国とはこんなところだという、基礎の「き」から始まります。

前半は各大陸の名前と人口、肌の色や言語、
そしてそれぞれの宗教の特徴や衣食住に関する記述なので
読み進めるのはたいへん容易なのですが、
後半は国家の形態という重めの内容のため、
考える時間もそこそこ必要となり、
さらにくずし字の解読も同時にぐっとハードルが上がります。

素晴らしく美しい字に騙されて一見簡単そうに見えますが、
一冊の中でも難易度の乱高下の激しいのは珍しいかもしれません。
かくいう私も随所で苦戦しました。

ということで、中級コースならではの、
くずし字・内容ともに噛み応えのあるチャレンジングなこの古文書。

個人的には多くの方にぜひともトライしていただきたいと強く願う
おススメの良書です。全11回分。

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