古文書講座「中級コース」の古文書『東京往来』ご紹介
今回は「中級コース」のテキスト、
『東京往来』をご紹介します。
これは明治6年(1873)発行の書物ですが、そのタイトル通り
東京(旧江戸市中)を皇居を中心に6つの区に分けて、
その区ごとにどんな名所があるか、ぐるっと一周紹介している
現代でいうところのガイドブックのようなものです。
おおまかに
第一区 皇居周辺、日本橋、築地、京橋、銀座
第二区 霞ヶ関、汐留、増上寺、三田、田町、品川
第三区 日枝神社、麹町、四ツ谷、新宿、赤坂、青山
第四区 水道橋、護国寺、駒込、神田、根津
第五区 不忍池、谷中、浅草
第六区 向島、両国
この順で進んでいきます。
そして最後には簡単な統計データが記載されていて、
人口100万人とあります。
明治6年の日本の人口は3340万人ですから、約3%です。
ちなみに、
2022年の日本人の人口(外国人を含んだ総人口ではない)は1億2200万人、
東京の人口は1400万人なので、約11%。
(参考に、関東1都3県の人口は3500万人なので、約28%)
こうした数字を見ても、ちょうど150年前と比較すると
大変な人口増加だというのがよくわかりますよね。
脱線しましたが、もちろん人口の話ばかりではありません。
ちょうど明治維新直後の東京の様子が
手に取るように描写されていますので、
地図を手元に置きながら読み進めていくと、楽しさが倍増します。
かなりおススメの一冊です。9~10回分。