古文書講座「中級コース」の古文書『女今川千代見種』ご紹介
今回は「中級コース」のテキスト、
『女今川千代見種』をご紹介します。
江戸時代には
「女大学」「女今川」「庭訓往来(ていきんおうらい)」
「女中庸教訓(おんなちゅうようきょうくん)」など
女子向けの往来物(教科書)が多数存在します。
どれも内容は似たり寄ったりで、
当時の理想的な女性像を語り、女子はこうあれと説くものです。
そのうちのひとつが、この『女今川千代見種』。
往来物のなかでも、とりわけ字が美しいのが特徴です。
ほかの往来物と比べても文章量が少なく、
また、上記の女子用往来物の中でも、もっとも漢字の数が少ないため、
くずし字をこれから覚えようという方には最適な古文書。
現代女性の感覚からすると、時代錯誤な差別的文言が並んでいますので
決して気分のいいものではありませんが、
昔の社会における女性の位置づけがはっきり確認できるものとなっており、
ぜひとも毛嫌いせずに挑んでほしい一冊です。
全5回分です。