古文書講座「初級コース」の古文書『教訓手引草』ご紹介

古文書講座「初級コース」の古文書『教訓手引草』ご紹介

今回は「初級コース」のテキスト、
『教訓手引草』をご紹介します。

この古文書は明治七年の発行のため、
江戸時代のものと違うことは一目瞭然。

明治のものとなると漢字もひらがなも現代語に近くなりますので、
古い字の解読と言う意味で、あまり学習にならないものも多いのですが、
この古文書はまだ江戸時代の字が残っていますし、
たいへん読みやすいくずし字なので、
初心者向けの題材としてはもってこいではないかと思います。

そもそも明治時代の書物を厳密には古文書とは言わないというのも、
このあたりから印刷技術が進み、
手書きの文字の書物がなくなっていくためなのですね。

そうした、この『教訓手引草』では、
「友達は選びなさい」「母親の愛」
「歳をとるということ」「勉強の大切さ」などの
生きる上で知っておくべき知識や教訓について、
とてもわかりやすく説明されています。

江戸時代の古文書にもこうした教訓の書かれたものは非常に多いのですが、
この『教訓手引草』がそれらと決定的に違うのは、
西洋のものを下敷きにしているという点にあります。
ですから、挿絵もすべて西洋風なのです。

明治維新直後の、和洋折衷の時代のはじまりの雰囲気を感じられ、
ほかの古文書とは一線を画すこの一冊。
内容も面白く読み応えもありおススメです。
全9回分になります。

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