古文書講座「初級コース」の古文書『まじない早合点』ご紹介
今回は「初級コース」のテキスト、
『まじない早合点』をご紹介します。
序文に「この書は諸々のまじないの秘術あるいは
諸病の妙薬を集めた書である」とありますが、
実際に飲んでしっかり治す薬というよりは、
冗談なのか本気なのかがとても怪しい
そのままズバリ「おまじない集」といったほうが
正しいような気がします。
例えば、
「船酔いには、空中で"賦"の字を書き、最後の点を自分の額に打つ」
「こむら返りには、"ぼけぼけ"と言って三回なでる」
といったものは、まさにおまじないそのもの。
また、
「旅で腿が擦れないように、かんぴょうを一本腹に巻く」
「道中足が痛くならないように、生姜を一枚ヘソにつける」
などは、真偽の程がとても怪しいですね。
かといって、
「二日酔いには、黒豆を煎じて飲むべし」
「鼻血には、冷たい水に足先をつけると良し」
などは信憑性が高く、実際にやってみたくなります。
このように、
今でも普通に悩まされる身体の不調に対処するための
さまざまな手法が書かれていますが、
あとがきには「信じること第一。疑っては効き目がなくなる」
とありますので、怪しいニオイがプンプン。
効く効かないは別にして、読み物としてはたいへん面白く、
ひらがなが9割を占めていますから、
初心者向けとしては絶好の古文書です。
全部で8~9回分になります。