古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介『広益秘事大全』第5回目
古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介、
『広益秘事大全(こうえきひじだいぜん)』(嘉永4年:1851年)
第5弾、最終回です。
今回は、第5章「畜蔵菜果類」。
ひとことで言うと食物の保存方法です。
昔は当然ながら冷蔵庫はありませんでしたので、
とにかく保存するのが大変でした。
ここでは、腐らない方法の代表選手「漬物」をはじめとして
さまざまな野菜や果物の保存方法が述べられています。
ただし、調理済みのものではありませんので、
あくまでも素材をどうやって長持ちさせるかということです。
例えば、「みかんを夏まで貯える方法」「鳥肉を長く保存する方法」
「餅を長く保存する方法」「紅生姜の漬け方」「梅干しの漬け方」
などがあり、中には、「塩辛の味が変わらない方法」「夏に魚を保存する方法」
といったものもあります。
食べることにどれほど苦心していたか、
今のようになんとなく生きるのではなく、
必死で生きていたということが、
食物の保存方法ひとつとってみても
よくわかるものとなっています。
現代との時代差をしっかり感じられる章ですから、
初心者のみならず、どなたにも一度は読んでいただきたい
とてもおススメの章です。全7回分あります。