古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介『広益秘事大全』第4回目
古文書講座「初級コース」の古文書ご紹介、
『広益秘事大全(こうえきひじだいぜん)』(嘉永4年:1851年)
第4弾です。
今回は、第4章「草木種植類」。
ここでは、あらゆる作物を栽培する方法と、
それにあたってまず知っておくべき基礎知識について書かれています。
その基礎知識というのは
「種をまく方法」「肥料について」「接ぎ木について」
「挿し木の仕方」「害虫駆除の方法」の5つ。
これらを理解した上で、穀類、豆類、野菜類、果物類、草木類に分かれる
さまざまな作物の栽培方法について簡単に知ることができるようになっています。
当然のことですが、すべて国産の作物。
ですから「ゴマ」「シソ」「ヘチマ」「スモモ」「ザクロ」などの名前が見えますし、
面白いのは「タバコ」「ケシ」「らっきょう」「からし」「にんにく」
といったものがあることです。
しかし、あくまでもこの古文書は一般家庭向けにさらっと書かれたものですから、
これを読んだからといってすぐに栽培できるようなものではありませんのであしからず。
(あらゆる農作物について詳細に記述したものには
全11巻からなる『農業全書』のようなものもありますのでご参考までに・・・)
同じような言葉が並びますので、
はじめて古文書を学ぶ方でも大丈夫な内容ですし、
慣れてきた方にとっては、国産の作物に対しての見識を広められる、
絶好の機会となる題材だと思います。
ただ、第1章・第2章・第3章に比べると、
行間が狭くて字が少し小さめなので、
そのぶん読む量が多くなっていることから、
「初級コース」よりも「上級・フリーコース」での学習のほうが
向いている教材です。全13回分あります。